CODA　〜感じる映画〜

またまた山口のお話。

山口でコースを提供している間に、映画を２回観に行きました。
観に行ったのはこちらの『山口情報芸術センター』。
とってもおしゃれな建物で、お隣にこれまた素敵なスタバがあるのです。

広々とした建物の２階にシアターがあります。

こじんまりとして落ち着いた空間は、とても安心します。
ここで『 CODA』という坂本龍一さんのドキュメンタリーを観てきました。
これがとても染み入るようなドキュメンタリーで。

震災後のこと。
ガン告知。
繊細な感覚を通じて彼の中から出てくる言葉は
自分が感じていたことと不思議とつながるところがあって、
とても興味深く感じました。

音楽家として作曲家としてすばらしいかたなのは知っていました。
その昔はイエローマジックオーケストラとして一世を風靡したかたなのももちろん知っていました。
子供のころ、よく聴いていたしね。
でも、彼の奏でる姿を観ながらピアノを聴いたのはもしかして初めてだったのかもしれません。
被災したかたたちのために弾いた『戦場のメリークリスマス』。
あまりに心に響き、知らないうちに涙がこぼれていました。
こんな音を奏でる人だったんだな、と。
ずっとずっとピアノを弾いていたわたし。
「あんな音、絶対に出せない！」と思うような響き。
こんなに素敵な人だったとは知りませんでした。

あっという間の８０分。
何か大きなエピソードがあるわけでもなく、
面白おかしいわけでもなく。
なのに、心惹かれてどうしようもなくなったわたしは
翌日もコース終了後、観に行ってしまいました。
同じ映画に連日、お金を払って観たのは人生初めて。
それぐらい、わたしにとって『何か』がある映画でした。

その後もふと、映画のワンシーンや彼の言葉や音を思い出します。
あと何十回も観たい。
それが頭で考えるのではなく、感じる映画だな、と。

あの映画を観て「リアル」を大切にしたいとからだが感じたのかもしれません。
とにかくどこへでも『行こう』と強く思わずにいられなかったから。

Ryuichi Sakamoto『CODA』公式サイト